美匠代表の塗装学
外壁塗装・屋根塗装後の不具合対応シリーズ[塗膜のハガレ③編]
いつもお読み頂き、誠にありがとうございます。
『外壁塗装の美匠』代表の高橋と申します。
地元浜松市に根付きながらも
全国100社以上の塗装専門店を指導させて頂いている中から、
お客様にとって参考になる事例をお伝えさせて頂きます。
このシリーズを通して転ばぬ先の杖として、
事前に外壁塗装・屋根塗装後の不具合を知っていることによって、
塗装施工中にしっかりと予防対策を打つことが可能になります。
本号では、「塗膜が剥がれてきた・・・」という不具合に対して、
原因と対策をいかに講じていけば良いのかをお伝えいたします。
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[不具合に対する補修対応の流れ]
外壁窓枠の下まわりに発生した塗膜のハガレ症状①
※窓枠の下まわりには建てたハウスメーカーによるシーリング補修がされていたため、
不具合が発生する可能性があることを事前に知っていたのではないかと思われます。
(他物件で同様の症状が多く発生していた可能性があります)
外壁窓枠の下まわりに発生した塗膜のハガレ症状②
表面的には一部のハガレに見えていましたが、
補修作業を始めていくとハガレ症状が一部ではなく、
窓枠下まわりの全体的に発生していることがわかりました。
塗膜のハガレ箇所に浸透型の強化下塗り塗料を塗装していきます。
下塗り塗料として溶剤(油性)型かつ2液型の強力な下塗り塗料を使用し、
脆弱化した外壁材へ浸透させて内側からガチっと固めて強化していきます。
※この塗装作業を3回繰り返し、下地作りが完成します。
まわりの仕上げ色に合わせた上塗り塗料を使用して塗装していきます。
補修痕が目立たないようにまわりの仕上げ色と同色になるように調色し、
保護膜としてたっぷりと塗装していきます。
※この塗装作業を2回繰り返し、ハガレ補修が完成します。
ハガレ補修の完成後
いかがでしょうか?
補修痕が目立たないように、
まわりの色とも遜色ない仕上がりになるように、
意識して補修をさせて頂きました。
今回の事例への対策としては、
窓枠下まわりの水流や排水に問題があることから、
排水加工処理や専用の部材を使用して再発防止を行う必要があります。
また、理想としては、
見積り時(調査診断時)にお客様へ現状を伝えるとともに、
排水加工を推奨する提案を行い、未然に不具合を防ぐことです。
このような不具合が発生してしまうということは、
そのお家にとって「最良」ではない塗装仕様のもとで施工したことであり、
後々の不具合はそのお家に過度の負担がかかり、お客様やご近隣の方々へも
ご迷惑をおかけしてしまう結果を招いてしまうからです。
まとめますと、
[原因] 窓枠下まわりの水流や排水への対処不足により、外壁内部へ水分が浸透してハガレが発生
雨水の流れが集中しやすい窓枠下まわりや庇(ひさし)側面などにおいて、水流による塗膜の劣化促進やコケ・カビの発生、脆弱部から塗膜内部への雨水の侵入など、平滑面に比べて様々な劣化因子による悪影響を受けてしまいます。浜松市は年間で雨天日が約118日あるため、この雨天による影響は私たちが思う以上に外壁や屋根に対して劣化を促進させていく因子であることを理解して対策を打つ必要があります。
[対策] 排水加工処理もしくは専用の排水部材を取り付けること
見積り時(調査診断時)に窓枠まわりの排水加工・防水処理の提案を行うことが第一に重要であると考えていますが、とくに今回の窓枠の形状と外壁との接地面を考慮すると水流による影響を多く受ける可能性が高いため、専用の排水部材を取り付けることが望ましいと言えます。適切な仕様を組むことが確実な品質と安心の外壁塗装を行うために最も重要な条件となります。
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このような対応を行うことを
お客様ご自身が把握していることが何より大切です。
また、見積りを取られる塗装業者・リフォーム業者・工務店等の
知識や経験そして実績を比較検討する際にも活用することができるようになります。
この「美匠代表の塗装学」の内容がお客様にとって有益な情報となり、
大切なお家の外壁塗装・屋根塗装の成功に繋がって頂ければ幸いです。
※美匠が使用する「外壁塗装」という概念の中には、
屋根塗装、付帯部塗装、塗装工事、等々の塗装に関連する全てを含めています。
シンプルにわかりやすくお客様へ伝えるために「外壁塗装」という言葉に集約しています。
※引き続き、新型コロナ対策を徹底してまいりますので、
安心してご相談くださいませ。
浜松市の外壁塗装に100%の安心を。
外壁塗装の美匠
代表取締役 高橋 明暉
■一級塗装技能士
■建築塗装指導員
■塗料/工法開発技術者
■日本建築塗装職人の会 技術顧問
■日本建築業者協議会 常務理事
■その他 資格多数保有
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品質追求は、私の人生そのものです。
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お客様へのメッセージ
私は昔から一つのことを追求する性格でした。そのため広い知識は持っていませんが追求する一つのことに関しては非常に深い見識を持っていることに大人になって気づきました。そしてそれは今でも変わっておりません。この外壁塗装・屋根塗装はとても奥が深く、お客様の求めるものを実現し続けようと思えば終わりがありません。しかしそれを叶えることが私の使命であり、存在価値であると思うに至りました。私は人生をかけて、お客様ご家族様と大切なお家を守り、末永い安心をお届けするために、全社員・全技術者とともに本日も仕事に打ち込んでまいります。
プロフィール
塗装技術者の道に入り20年。下積みを積んだ後、20才の時に株式会社 美匠を設立。自社目線ではなく“お客様が求める”外壁塗装・屋根塗装を追求し続ける。その本質を追求する中で生まれたのが、七つの劣化因子を抑制することで塗膜だけでなくお家自体まで長持ちさせる技術。この技術によって品質とお客様満足度のさらなる向上を実現している。また、全国100社以上の塗装専門店を技術指導し、業界の健全発展に貢献する活動も行っている。著書に「お家の塗り替え 5つの秘訣」などがある。3人娘の父。
なお、株式会社 美匠は2018年2月に「未来をつくり出す美の匠」を指針に定めたことから美匠未来建設 株式会社 へ社名変更し、地元浜松市に根付いた永続的な企業を目指し、品質追求のための研究開発を強化している。