美匠代表の塗装学
外壁塗装・屋根塗装後の不具合対応シリーズ[早期色あせ(有機濃彩色)編]
いつもお読み頂き、誠にありがとうございます。
『外壁塗装の美匠』代表の高橋と申します。
地元浜松市に根付きながらも
全国100社以上の塗装専門店を指導させて頂いている中から、
お客様にとって参考になる事例をお伝えさせて頂きます。
このシリーズを通して転ばぬ先の杖として、
事前に外壁塗装・屋根塗装後の不具合を知っていることによって、
塗装施工中にしっかりと予防対策を打つことが可能になります。
本号では、「外壁の色が褪せてきてしまっている」という不具合に対して、
原因と対策をいかに講じていけば良いのかをお伝えいたします。
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[不具合に対する補修対応の流れ]
外壁の色が早期に色あせしている症状(グリーン系)
外壁の色が早期に色あせしている症状(パープル系)
これらの早期色あせについて共通していることがあります。
それは仕上げ色が有機濃彩色(ゆうきのうさいしょく)であることです。
有機濃彩色とは、「鮮やか+濃い」色を指しています。
おもに店舗などに使用される色味でもあります。
鮮やかさを出すために有機顔料を使用しています。
有機とは簡単にいうとプラスチック製品などであり、
紫外線によって傷みやすい(劣化しやすい)ものでもあります。
この反対が無機顔料であり、石やガラスなどの劣化しにくいものです。
しかし鮮やかさはありません。
一般的な住宅などの建物で採用されている自然な色合いとなります。
また、有機濃彩色に該当する色は、
無機濃彩色と比べて2倍以上価格が高くなります。
それでいて耐候性(色あせ防止)は3年~5年低下してしまいます。
このような特徴があるのが有機濃彩色です。
・他とは違う仕上り、目立つ仕上りにされたい方は有機濃彩色を、
・耐候性を重視する、飽きのこない自然な仕上りにされたい方は無機淡彩色~濃彩色を、
このようにご要望や目的に合わせて色を選んで頂くことが望ましく、
「ただ何となく」「好きな色だから」という気持ちの、もう一歩先まで考えて
色選びをして頂くことで後々の失敗やトラブルを未然に防ぐことができます。
希望の仕上げ色が有機濃彩色に該当するか否かについては、
業者に確認して頂くことですぐにわかります。
[原因] 有機濃彩色を使用することで早期色あせが起こりやすくなります
前述しましたように、有機濃彩色に該当する色を選ぶことによって早期色あせの発生リスクが非常に高くなります。有機濃彩色に該当するか否かは業者に確認するようにしていきましょう。(※重要なことは、お客様ご自身がこのような症状を事前に理解しておくことです。たとえデザイン重視で有機濃彩色を活用されても「早期色あせが起きるかもしれない」とわかっていれば、実際に早期色あせが起きた場合でも想定内であり、動揺することが無くなるからです。)
[対策] 有機濃彩色を避けた色を選定する、もしくは4層目にクリヤーコーティングを施すこと
最も無難な選択としては、有機濃彩色を避けた色を選ぶことです。お家の配色(デザイン)については1色でも良いですが、ツーロンカラーやアクセントカラーを活用することで十分オシャレな印象を引き出すことが可能になります。例えば、お家の全体は無機顔料の淡彩色(クリームやベージュ等)で自然な仕上りを出しつつ、ベランダ外壁には無機濃彩色(ダークベージュ等)を、玄関まわり(もしくは4つ角のコーナーまわり)はまた別の無機濃彩色を、といったようなデザインです。「どうしても有機濃彩色に該当するこの色がいい。だけど早期色あせはイヤ・・」という場合の奥の手としては、通常3回塗りのところを4回塗りとし、最後の1層をクリヤーコーティングで保護する、という施工法になります。費用は1層多くなることで高くなってしまいますが、お気に入りのデザインと耐候性の両方を手に入れることができます。
有機濃彩色(ブルー系)にて上塗り塗装作業中
この上からさらに4層目クリヤーコーティングを施すことで
早期色あせを最小限に抑えることが可能になります。
※本号では「4層目にクリヤーコーティングを施すこと」を対策として提示していますが、
さらに踏み込むと4層以上(クリヤー塗装1回塗り以上)であり、5層(クリヤー塗装2回塗り)を
推奨しています。その理由は下記ページをご覧ください。
外壁塗装・屋根塗装後の不具合対応シリーズ[早期色あせ(クリヤー塗り残し)編]
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このような対応を行うことを
お客様ご自身が把握していることが何より大切です。
また、見積りを取られる塗装業者・リフォーム業者・工務店等の
知識や経験そして実績を比較検討する際にも活用することができるようになります。
この「美匠代表の塗装学」の内容がお客様にとって有益な情報となり、
大切なお家の外壁塗装・屋根塗装の成功に繋がって頂ければ幸いです。
※美匠が使用する「外壁塗装」という概念の中には、
屋根塗装、付帯部塗装、塗装工事、等々の塗装に関連する全てを含めています。
シンプルにわかりやすくお客様へ伝えるために「外壁塗装」という言葉に集約しています。
※引き続き、新型コロナ対策を徹底してまいりますので、
安心してご相談くださいませ。
浜松市の外壁塗装に100%の安心を。
外壁塗装の美匠
代表取締役 高橋 明暉
■一級塗装技能士
■建築塗装指導員
■塗料/工法開発技術者
■日本建築塗装職人の会 技術顧問
■日本建築業者協議会 常務理事
■その他 資格多数保有
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品質追求は、私の人生そのものです。
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お客様へのメッセージ
私は昔から一つのことを追求する性格でした。そのため広い知識は持っていませんが追求する一つのことに関しては非常に深い見識を持っていることに大人になって気づきました。そしてそれは今でも変わっておりません。この外壁塗装・屋根塗装はとても奥が深く、お客様の求めるものを実現し続けようと思えば終わりがありません。しかしそれを叶えることが私の使命であり、存在価値であると思うに至りました。私は人生をかけて、お客様ご家族様と大切なお家を守り、末永い安心をお届けするために、全社員・全技術者とともに本日も仕事に打ち込んでまいります。
プロフィール
塗装技術者の道に入り20年。下積みを積んだ後、20才の時に株式会社 美匠を設立。自社目線ではなく“お客様が求める”外壁塗装・屋根塗装を追求し続ける。その本質を追求する中で生まれたのが、七つの劣化因子を抑制することで塗膜だけでなくお家自体まで長持ちさせる技術。この技術によって品質とお客様満足度のさらなる向上を実現している。また、全国100社以上の塗装専門店を技術指導し、業界の健全発展に貢献する活動も行っている。著書に「お家の塗り替え 5つの秘訣」などがある。3人娘の父。
なお、株式会社 美匠は2018年2月に「未来をつくり出す美の匠」を指針に定めたことから美匠未来建設 株式会社 へ社名変更し、地元浜松市に根付いた永続的な企業を目指し、品質追求のための研究開発を強化している。